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ブログ 受験/進学よろず猪名川塾日記

令和5年度(2023年度)公立高校入試を振り返って!猪名川・川西地域編(3)川西北陵高校は第一志望倍率が1.0以下だったのに定員充足!この異変の謎を解きます!

2023-04-20
チェック
◎今春公立高校入試/猪名川・川西地域
令和5年(2023年)度 兵庫県第2学区の主な公立高校入試・受験状況一覧 (猪名川・川西地域)

川西緑台高校川西北陵高校川西明峰高校猪名川高校

普通科総合理数普通科普通科普通科
2023年度定員240
40240280160
前年対比増減00000
2022年度定員24040240280160

特色・推薦選抜入試(2月15日)


総合理数探求と表現グローバルキャリア教育コミュニケーション
定員
40402824
受験者
34341738
2023年度倍率
0.85倍0.85倍0.61倍1.58倍
2022年度倍率
0.85倍1.08倍0.57倍1.13倍
合格者
34341724

複数志願入試(3月12日)
定員(修正後)240
206263136
第1志望志願受験者258
177163149
2023年度実質倍率1.08倍
0.86倍0.62倍1.10倍
2022年度実質倍率1.12倍
1.03倍0.63倍0.98倍
第2志望志願者52
226327192
志願変更後第2志望志願者51
230325193
合格者240
206238136
◎猪名川・川西地域内二番手高・川西北陵高校
前回に引き続き、猪名川・川西地域の今春公立高校入試結果を整理した上表を参考にして、この地域内二番手公立高校といわれている川西北陵高校の入試を振り返ってみます。

◎川西北陵高校・特色選抜入試の人気度は? !
2月特色選抜入試だけで決まる、北陵高校「探究と表現類型」は、今春今年度の募集では振るいませんでした。募集定員40人に対し、34人が受検し、倍率0.85倍でした。受検者は全員合格。定員40人に足りない6人は3月一般入試の定員200人に加算されました。

年度202320222021202020192018
倍率0.85倍1.08倍1.05倍1.00倍0.85倍1.28倍
定員404040404040

上表の過去の倍率推移を見てみると、倍率が1.0倍を上回らなかったのは過去6年間のうち2回だけで、今春2023年度がその2回目。今年度はともかく、そうしてみると全く人気がない特色類型とはいえません。かといって人気がある特色類型と言い難い印象です。「中途半端」の印象が拭えません。

◎「探求と表現類型」は具体的特色が見えない!
川西北陵高校の「探求と表現類型」は、高校の説明によれば「3年間を通して全生徒の『未来に挑戦する力(グローバル力・キャリア力・表現力)』を育成する類型」とされています。「グローバル力」とは「世界に広く目を向けた上で、地域課題などに取り組む力」、そして「キャリア力」とは「将来に渡る人生設計をした上で、自分の力で進路を実現する力」。そして「表現力」とは「この『グローバル力』と『キャリア力』によって得た『今』を発信する力」と説明されています。皆さん、ピンとお分かりになりますか?まとめると「日本国外にも目を向け、自分の将来設計を高校時代に考え、それをプレゼンテーション(発表表現)する力を養うってこと?」というところでしょうか。今時流行のことばを散りばめていますが、具体性に欠ける印象です。この特色類型の弱さは、この具体性が無いこと、そして、新味にもかけていることです。

◎「探求と表現」類型は『特色が弱い』のが特色!
昨今、もはやオールドメディアである新聞・テレビが念仏のごとく唱えていることを、特色教育しますよと聞こえるだけです。これでは川西北陵高校の看板があるにせよ、ないにせよ受験生の人気を恒常的に集めるのは難しいと思えます。今後、この類型の発展のためにはもう一工夫の再設計を期待したいところです。

◎川西北陵高校の募集定員割れの危機!
3月一般入試では、本来の定員200人に、特色類型の募集定員に足りなかった6人を加えて、修正加算された定員206人が川西北陵高校の最終募集定員となりました。これに対して175人(欠席2人)が第1志望志願受検し、倍率0.85倍です。さて、この第1志望志願受検者175人だけでは募集定員に足りません。定員充足には、あと31人不足です。そこでこの時点で定員割れの可能性と危機が生じるわけです。

◎しかし川西北陵高校の定員割れは無かった!
実は、受検時点で第1志望志願受検者が募集定員に足りなくとも、それで最終的に定員充足ができないと決まるわけではないのです。出願確定時点で、川西北陵高校を第2志望志願者は230人でした。この人数の中から、足りない31人に合格を出せれば募集定員を充足できます。つまり(1)この230人のうち199人だけが第1志望志願受検校に合格し、残る31人全員が不合格となった場合、その31人全員は第2志望志願高校である川西北陵高校に合格。合格者が募集定員ちょうどの206人となります。(2)200人以上が第1志望志願受検校に合格し、残る32人以上が不合格になれば、その中から31人を成績で選抜して合格を出せます。したがって今年度は(1)もしくは(2)が起きて、川西北陵高校は募集定員206人を充足できたことになります。

◎公立高校完全不合格者が出た可能性あり!
上記(2)の場合、32人以上の人数がいた場合、そのうち合格した31人以外の受検生は第2志望志願高校として川西北陵高校に不合格。公立高校第1志望志願受検校は不合格ですから両方で不合格となり、公立高校完全不合格者となります。この数字は公式発表されませんので分かりません。果たして居たか、居なかったのか、そして居たとして何人だったのかは藪の中です。

◎川西北陵高校が募集定員充足の理由を考察!
川西北陵高校は、川西緑台高校第1志望志願受検者が第2志望志願高校に書くことが多い高校です。今年度、川西緑台高校は受検時点で、第1志望志願受検者が17人(欠席1人)募集定員を上回っていました。あくまで仮定として、この17人全員が第2志望志願高校に川西北陵高校を書いていたとして、上記の31人から17人を引けば14人が第2志望志願受検高校として川西北陵高校で合格が可能になります。ただしあくまでも仮定です。その14人全員が第2志望志願高校に川西北陵高校を書いたとは限りません。この14人は仮定としての最大人数です。14人を下回っていた可能性も充分あります。

◎川西北陵高校を第2志望にした受検生は多かった!
したがって川西緑台高校以外の第2学区の公立高校を第1志望志願受検校として受検し、第2志望志願高校に川西北陵高校とした生徒が、思う以上に多かったことを意味します。さらに言えば、今年度、猪名川・川西地域の受験生が、多く第2学区の他地域の公立高校を受検したと分かります。ならば川西緑台高校について、前回書いた「コロナ禍の下で電車通学を避けて地元に受験生が回帰した」という言説も怪しくなります。結論として、川西緑台高校に限らず、地元猪名川・川西地域以外の公立高校を第1志望志願受検した生徒にも、第2志望志願に川西北陵高校とした者が多かったに違いありません。

◎猪名川・川西地元地域以外の公立高校希望者!
第2学区ができて5年以上の月日が経ちました。受験生の志望の目が地元だけでなく、川西能勢口から南の伊丹や西宮、尼崎といった地域の高校にまで広がっていることは確かなことが分かります。川西北陵高校の今年度3月一般入試結果はそれを象徴した結果といえるでしょう。川西北陵高校の今春今年度の受検分析では、全国でも珍しい「複数志願選抜制度」ならではの、「頭の体操」的な考察を要求されました。

◎川西北陵高校3月入試の総括!
最後に過去6年間の川西北陵高校の志望状況推移を確認しておきましょう。川西北陵高校の3月一般入試の倍率は下表の通りです。

年度202320222021202020192018
倍率0.85倍1.03倍1.20倍0.97倍0.89倍1.03倍
募集定員206200200240246240
総定員200200200240200200
入学者206200200240231240
※2021年度より定員減 ※2023年度及び2019年度は特色選抜入試定員充足できず

これを見ると、第1志望者受検倍率が倍率1.0倍を下回ったのは、一昨年度以来のことでした。昨年度は倍率1.0倍を超えています。さて6年間を振り返ってみると、倍率1.0倍を下回ったのは、2020年年度と2019年度の2回。ただし2020年度は今年度と同様、第1志望志願受検者倍率が倍率1.0倍を下回ったにもかかわらず、募集定員を充足しています。そうしてみると、募集定員を充足できなかったのは実は過去6年間で、2019年度の1度だけなのです。他の公立高校も同じなのですが、表面的な第1志望志願受検者倍率だけで、複数志願選抜制度の公立高校の受検を甘く見ると危険なことが分かります。

◎生徒レベルが変わろうと校風は変わらない!
川西北陵高校の生徒の学力レベルが、10年以上前の総合選抜制度時代よりかなり下がっているのは間違いありません。ただ、川西緑台高校と同様、大学進学には熱心に取り組み、学習レベルをそれほど下げすぎているわけでもありません。生徒にも相応の学習量はきちんと要求している高校です。川西緑台高校と同様、校風がひどく劣化しているわけでもありません。在校生徒が自覚を持って努力をすれば、相応の進路を切り拓ける高校であることは変わっていません。
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